大動脈解離

大動脈解離とは

大動脈解離とは、大動脈の内側の壁が裂け、血液が壁の層の間に流れ込むことで、大動脈の構造が破壊される病気です。この状態は非常に危険で、放置すると命に関わることがあります。主に急性と慢性の2つのタイプに分類され、急性の大動脈解離は特に迅速な対応が求められます。

大動脈解離の原因

大動脈解離の主な原因は、大動脈の壁が弱くなることです。高血圧は最も一般的なリスク要因で、動脈に過剰な負担をかけることで壁の損傷を引き起こします。その他、動脈硬化や喫煙、ストレス、高脂血症も原因となります。

大動脈解離の症状

大動脈解離の典型的な症状は、突然始まる激しい胸や背中の痛みです。この痛みは「裂けるような感覚」と表現されることが多く、痛みが上下に広がる場合もあります。他の症状としては、意識障害、呼吸困難、血圧の異常、四肢のしびれや麻痺などが挙げられます。

大動脈解離の治療方法

治療法は、解離の部位や進行具合によって異なります。薬物療法では、血圧を低下させて大動脈への負担を軽減することが目的です。一方で、解離が大動脈の上行部(心臓に近い部分)に及んでいる場合、緊急手術が必要です。

手術では、破損した部分を人工血管に置き換える方法が一般的です。また、ステントグラフトを挿入して大動脈を補強する治療法も行われます。